夏休み。
シャカイジンという進化をしてから、存分に謳歌した覚えは無い。
企業で働いていた頃も夏季休業といえば改修工事と相場は決まって、それはそれは全く待ち遠しくないモノで。中小企業の今でもそのスタンスは全く変わらないのは、この業界の宿命なのだろうか。
炎天下の下、自分の書いた抜けだらけの図面を見て焦っているというマイ風物詩は一体いつまで続くのだろうか、、、。
さて、今の8月の風景を仕事で魂を抜かれた目でぼんやり眺めていると、「う〜む、子供がいないなあ」と気付く。街の公園や学校、川原は言うに及ばずおもちゃ屋の前にも街角にもいない。
昨今の子供が犠牲になる事件が外出を控えさせているのか、それとも単純に暑いからなのか、とにかく夏の太陽を浴びて元気に動き回っているのは大人達のみなのだ。
”僕の夏休み”というPS2のソフトがある。もう古いけど。親父の田舎へ行くと、本当に「あの世界」だったなあと思い出される。海へ山へ川へ一日中よくネタが尽きないと感心される程遊んだ夏休み。もう水中でも呼吸が出来るんじゃないかと思ったぐらいに川と海では潜りまくっていた。昨日よりデカイ魚を捕るのがその日の命題なのだ。
現場の近所のスイミングクラブに子供達はいた。かなり大量に。
知ってる親がいたので、子供に「ココ面白いか?」と訊くと「つらい」と答えた。親が言うには、まだうまく潜れないからよほほほ、とのことだが、果たしてそうだろうか。
潜るだけ、泳ぐだけ、それだけでは修行に近いものがあるんじゃないかと思う。真っ白な顔で訴えるような目をしていた彼を、本気で可哀想だと思った。
市内の大きなデパートの本屋まで子供達の行列があった。ポケモンのイベントがあるようだ。にしても凄い人数だ。1階の階段からずっと列が続いている。本屋は8階なのだが、今1階の子たちは今日中に入場できるのか疑問。付き添う親も大変だ。階段室は非常避難用なので空調が行き渡らない。蒸し風呂のような場所で汗だくになりながら子供達はほぼ全員ゲームボーイアドバンスに没頭中。凄い忍耐力である。音を上げたオトーサンがデパートのパートに文句を言っている。デパートもこんな非常識な人数の行列を売り場に導くわけもいかないのだろう。ピカチュウに逢いたきゃ耐えろということらしい。
公園や川から消えた子供達は、どうやら室内にいるようだ。
夏はインドア、これからの主流になるのだろう。川や海で魚を殺していた野蛮で体力勝負な時代は終わったらしい。魚の大きさで友達同士の微妙な地位が変化することもない。大自然相手に大怪我することも、まして命を落とすことも時代遅れである。稀にポケモンイベントのような忍耐力を試される事もあるだろうが、基本的に熱中症になるような愚かな遊び方はしないだろうし、炎天下の下、光化学スモッグを知らせるセスナに向かって、バ〜カ!と叫ぶこともしない。
そして今の子供達は我々の知らない方法で夏を過ごす。自分のやってきた夏が正しいと勘違いする大人は多いし、そんなヤツは決まって今の子供を嘆く。しかし、今の子供達に昔の子供が敵うのは体力だけだろう。
川に飛び込んで命のやり取りをするのも、ゲームで金貨のやり取りをするのも夏休みの自由だ。
ただ、言えるのは、大人になって思い出に残るのは水中から見た景色だったり、モリに伝わる魚の断末魔の痙攣だったりするわけで、それが夏を未だに特別な季節と位置づけていたりする。
またあの頃みたいに遊びてえなあ〜と、田舎の風家を思い描きながら頭の中に井上陽水が流れてくるのだ。

- 2006/08/08(火) 13:54:17|
- 社会にモノ申す
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う〜ん、浸みるねぇ。ほんと、最近は外に子供があまりいない。まぁ、俺も最近外では遊ばなくなってしまったんだが・・・(笑)
昔も全員が全員、元気一杯で外を駆け回っていたわけではないが、、、無益な殺生をしてしまう事も必要だとは思うんだ〜よね。
- 2006/08/08(火) 23:30:56 |
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- アツギ@今朝の雨ったら #-
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